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平成24年度第7回生涯研修会



日時:
平成25年3月3日(日)
13:30〜16:50



会場:
徳島大学医学部 青藍会館
徳島市蔵本町3丁目18-15
電話 088-633-9116



研修単位:
医学教養(2単位)
基礎医学(1単位)



テーマと講師:
13:30〜14:00
「膠原病における漢方治療」
清水輝記 先生 (東陽病院副院長)

14:00〜14:30
「外科治療における漢方の役割」
吉川幸造 先生 (徳島大学大学院消化器・移植外科学分野)

14:40〜15:40
「生薬のチカラが処方を作る」
川添和義 先生 (徳島大学病院薬剤部准教授)

15:50〜16:50
「更年期障害における漢方製剤の作用を考える」
安井敏之 先生 (徳島大学大学院生殖補助医療分野教授)



参加費:
無料



申込締切:
平成25年2月28日(木)



申込先:
学術部 林崎隆
電話:088-698-6414
携帯:090-8283-2049
メール:spxh8ng9@dune.ocn.ne.jp

総務部 宮本常宏
電話:088-665-3523
携帯:090-4505-6803
メール:m0502@me.pikara.ne.jp



 
第7回生涯研修会の報告

学術部

日時:
平成25年3月3日(日)
13時30分〜16時50分

会場:
徳島大学医学部 青藍会館 
TEL088-633-9116
徳島市蔵本町3丁目18?15
テーマ:
@「膠原病における漢方治療」
A「外科治療における漢方の役割」
B「生薬のチカラが処方を作る」
C「更年期障害における漢方製剤の作用を考える」

講師:
@ 東洋病院副院長 清水輝記 先生
A 徳島大学大学院消火器・移植分野 吉川幸造 先生
B 徳島大学病院薬剤部准教授 川添和義 先生
C 徳島大学大学院生殖補助医療分野教授 安井敏之 先生

研修単位:
3単位(医学教養2単位・基礎医学1単位・臨床0単位)



テーマ@
清水先生からは、膠原病の種類・特徴・症状を、教えて頂き、その中でも、関節症状・冷え・皮膚症状などが、漢方のチカラを発揮するようです。漢方の適応としては、服用薬剤の副作用で使用できない・病態の活動性が強く、効果が不十分である等の時。
使用頻度の高い製剤として@清熱剤A利水剤B駆お(やまいだれに於)血剤、補血剤B補腎剤

次にベーチェット病の診断基準の話があり主症状としては、口腔粘膜の再発性アフタ性潰瘍・皮膚症状・眼症状・外陰部潰瘍 があり、その他の副症状の話、治療・症例の話があり、第一選択の漢方として温清飲(ベーチェット病に頻用され、清熱・補血作用を持ち合わせている)使うといった話でした。



テーマA
 吉川先生は、学位を漢方の研究で取得された先生で、非常に漢方に興味をもっており研究している先生です。
漢方を外科治療に用いるにあたりどういった効果があるかを研究した発表をして頂きました。
大建中湯 抗炎症作用があり、術後、排ガス、排便までの期間も短くなる(肝切除・開腹手術などで使いやすくなる)。
 牛車腎気丸 末梢神経障害の予防効果がある

等と言った話がありました。



テーマB
 川添先生からは、生薬はなぜ重要か・処方における生薬の働きなどの説明があり、漢方の治療方針として
@ 補充 :補気・補血など
A 動かす:行気・駆お(やまいだれに於)・利水など
B 温める:温経・温裏など
C 冷やす:涼血・きょ(ころもへんに去)暑・清熱など
主に4つの働きがある

六君子湯をつくる生薬の話があり、気の作られるしくみの説明などの話があり、生薬を正しく使うためには、期待通り生薬を働かせる。それには、
@ 一つの生薬に、二つ以上の起源がある
A 加工(修治)方法で性質が変わる
B 同名の処方でも異なる
などを理解していないといけない。
最後に漢方を使うメリットとして
1 西洋医学の隙間を埋める
2 処方薬の数を減らす事が可能
3 薬価が安い
との話がありました。



テーマC
 安井先生からは、まずは更年期の説明があり、女性は、閉経後は男性よりも女性ホルモンが
少なくなり、骨粗鬆症・動脈硬化などになりやすいので注意が必要と話があり、更年期障害の症状として多いのが、肩こり・疲れやすい・頭痛そして、のぼせと言う順番で日本人の特徴らしいです。
 更年期障害は、卵巣機能の低下が成因で更年期の女性の中で
30〜40%は症状があまり感じない
30〜40%は症状を感じる
20〜30%は治療が必要     
と全体の3分の2が症状を感じその中の3分の1の人が治療を必要をしている。
更年期における様々な変化が影響し子供の進学や結婚による喪失感や性格が影響する。
治療としては、ホルモン補充療法があり使用期間が長いとアルツハイマー病の発症リスクは低下する。エストロゲンは動脈硬化を予防し皮膚のコラーゲン量も増やす。
 異常からホルモン補充療法は冠動脈疾患・脳卒中に有効かという研究も昔、行われていた。
ホルモン療法にはどういうものがあるか→経皮パッチ・経皮ゲル
漢方の使用例として
1 更年期障害 2 感冒  3 リトドリンとの併用  4 不妊症

HRTに効果が無い症状にも効果あり、症状の改善だけではない隠れた効果がある(漢方製剤を使用すると目的外の疾患も抑えるのではないか?)・次の一手が打てる(ほてりの症状が強い女性ほど、骨密度は減っているのではないか?) と期待される。

などと言う話があり、お昼からの短い時間に4講演でしたが、大変、内容の濃い有意義な研修会でした。




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