2018.04.01 (日)会員の皆様月刊東洋療法

    月刊東洋療法 288号

    月刊東洋療法 288号
    月刊東洋療法288号 (4月1日号)
    公益社団法人 全日本鍼灸マッサージ師会

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    目次
    1 あはき療養費 受領委任制度
    平成30年10月スタート?
    2 東日本大震災七周年追悼式
    3 第11回地域健康つくり指導者研修会報告
    4 厚生労働省 平成29年度「全国医政(いせい)関係主管課長会議」開催
    5 平成29年度 第2回JIMTEF(ジムテフ:国際医療技術財団)
    災害医療委員会開催される
    6 認知症ミニ講座(29) 治るタイプの認知症
    7 Dr.タコの外来小咄(96)
    8 FOCUS アセスメント
    9 医者いらず 健康長寿処方箋(51)
    「癌に罹った医者の治療法選択」
    10 平成30年度 定時総会開催のお知らせ
    11 平成30年度 行事(予定)
    12 インフォメーション 研修会・イベント開催予定
    13 協同組合ニュース
    14 編集後記
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    以下本文

    1 あはき療養費 受領委任制度 平成30年10月スタート?

    【写真:会場風景、保険局長】

    平成30年3月2日(金)、厚生労働省の第19回社会保障審議会 医療保険部会 あん摩マッサージ指圧、はり・きゅう(あはき)療養費検討専門委員会が開催され、あはきへの「受領委任制度」の適用に伴う不正対策案について大筋合意し、受領委任制度は平成30年10月から開始する見通しになった(厚労省ホームページ)。
    あはき療養費では、償還払いが原則になっているが、施術所や請求代行業者による「代理受領」が全体の77% (厚労省調査、平成29年2月)を占めている。「受領委任」と違い、行政の指導が入らないことから、「平成29年度中のできる限り早期におこなわれる不正対策の具体的な制度設計の内容が適切なものであることを見極め、確認することを前提」として、あはき療養費でも認めることになった。
    新たな不正対策など、下記の事項が決定した。
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    1)領収証を無償で交付するとともに、患者から求められたときは、明細書を交付する。
    2)施術者は支給申請書に施術の具体的内容日付を記載した上で、月末に患者から署名または押印を求めると共に支給申請書のコピーまたは明細書を交付する。( 1)で交付している場合は除く)
    3)施術者は再同意の期間ごとに(1)施術の内容・頻度(2)患者の状態・経過を記載した「施術報告書」を作成する(やむを得ない場合には作成しなくてもよいこととする)。
    4)「施術報告書」の作成は報酬上の手当を検討する。
    5)医師の再同意を、現状の「3カ月ごとの口頭」から、「6カ月ごとに文書」でおこなうこととする。
    6)頻回(1年以上かつ月16回以上)の施術の支給申請書の見直し・調査の実施。
    7)往療に関して、平成30年改定で距離加算を引き下げ、施術料や往療料に振り替えつつ、できるだけ早期に距離加算の廃止や施術料と往療料を包括化した訪問施術制度の導入を見据えて段階的に改定をおこなう。
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    「受領委任制度」の導入スケジュールでは、平成30年7月から各厚生局へ施術所登録の受付、10月から受領委任の取扱いの開始とする見通しが示された。不正対策は前倒しで実施できるものと、上記1)、2)、3)、4)のように受領委任制度が開始しなければ実施できない項目がある。6)は既に調査が開始されていることから、5)と7)に関しては先行して実施される見込み。受領委任を採用するかは「保険者の裁量」とされており、「受領委任」への参加をおこなわないよう働きかけている保険者も存在している。
    本会は、特に外来で鍼灸をおこなう会員と患者の利便性のために、全保険者が参加されることを最後まで粘り強く求めてきた。その結果、厚生労働省に「多くの保険者が受領委任制度に参加できる環境整備に努める」「保険者の裁量が前提であるが、保険者の方が受領委任に入りたいと思うような制度にしていく」と答えていただくことに繋げた。 (保険局)

    2 東日本大震災七周年追悼式

    【写真:慰霊碑】

    3月11日(日)、政府主催の追悼式が東京都千代田区の国立劇場で営まれ、秋篠宮(あきしののみや)ご夫妻、安倍 晋三(あべしんぞう)首相ら三権の長、遺族の代表、一般の参列者ら合わせて約820人、当会からは伊藤 久夫(いとうひさお)会長が出席され、地震発生時刻の午後2時46分に合わせて、黙祷をささげた。
    東日本大震災は、発生から7年が経過した。
    警察庁によると、死者は3月9日現在、12都道県の15,895人、行方不明者は2,539人。震災による負傷の悪化などで死亡した「震災関連死」を合わせると22,000人超となる。復興庁によると、避難者は1年前に比べ約5万人減少し、73,349人(2月13日現在)となった。東京電力福島第1原発事故の影響が続く福島県では、なお約34,000人が県外での避難生活を余儀なくされている。
    仮設住宅の入居戸数はピーク時の約124,000戸から約19,000戸まで減少し、今年秋にはピーク時の1割を下回る12,000戸以下に減少する見通しになっている。被災者向け災害公営住宅は1月末現在、岩手、宮城、福島の3県で計画の9割を超える約27,800戸が完成した。
    災害は、いつどこで起こるとも限らない。業界としても、各地自治体との災害協定や、JIMTEF(ジムテフ)研修会はじめ職種を生かしたさまざまな災害対策に取り組んでいます。あらためて亡くなられた方のご冥福と被災された皆様の一日も早い復興をお祈りいたします。

    3 第11回 地域健康つくり指導者研修会報告

    【写真:シンポジウム、グループワーク発表】

    3月3日(土)~4日(日)の2日間、東京の新宿鍼灸柔整(じゅうせい)歯科衛生専門学校にて、第11回地域健康つくり指導者研修会が開催された。テーマは「平成30年度 介護保険制度改正」。
    1日目にはまず、長嶺 芳文(ながみねよしふみ)氏(全鍼師会理事・事務局長)による介護保険制度の概要についての解説、続いて朝日山 一男(あさひやまかずお)氏(全鍼師会 スポーツ事業委員長)による運動指導の基礎知識、ゼンシン体操、経絡ストレッチの講義がおこなわれた。
    続いて、小川 眞悟(おがわしんご)氏(全鍼師会理事・学術局長)から「平成30年度介護保険制度改正」と題して、改正のポイントを具体的に解説していただいた。その後のシンポジウムでは、狩野 裕治(かのうゆうじ)氏(全鍼師会理事・地域健康つくり委員長)、山岸 克也(やまぎしかつや)氏(埼玉県師会理事)、及び長嶺 芳文(ながみねよしふみ)氏により、それぞれの総合事業に対する考えや具体的な取り組みが発表された。
    2日目は、初回研修者・ステップアップ研修者に分かれ、それぞれチェアーエクササイズや、3分間スピーチ・運動指導をおこなった。その後、参加者全員によるグループワークとして、「ビジネスとして治療院で機能訓練をおこなうには」をテーマに、課題分析シートを用い、今とるべき行動や今後の課題、問題点等を明確にする取り組みがおこなわれ、それぞれ発表をおこなった。
    また、今回の研修会では、開催直前に厚生労働省より「はり師・きゅう師、機能訓練指導員正式決定」の発表がされたこともあり、そのことについても随時話し合われた。今回の正式決定により、はり師・きゅう師の活躍の場が広がることは大変喜ばしいことである。しかし、同時に鍼灸師が地域社会に貢献することについて、利用者やその家族、そして介護施設関係者、他の専門職及び行政などの期待にもしっかりと応えていかなくてはならない。我々鍼灸マッサージ師の担う役割がますます増えていくなかで、当研修会は、鍼灸マッサージ師が地域社会において真に必要とされ、活躍していく存在となるようさまざまな研修テーマや情報を今後も提供していく。
    (報告:髙野 広行 たかのひろゆき)

    4 厚生労働省 平成29年度 「全国医政(いせい)関係主管課長会議」開催

    3月9日、厚生労働省において平成29年度「全国医政(いせい)関係主管課長会議」が開催され、「医療法及び医師法の一部を改正する法律案」が示された。
    あはき柔整(じゅうせい)関連では、学校養成施設認定規則等改正の概要や療養費検討専門委員会について纏められているほか、(1)違法広告の取締りについて、(2)無資格者の取締りについて、(3)有資格者と無資格者の判別について、が記載されているので、以下資料を抜粋します。
    (広報局)
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    6.あはき柔整(じゅうせい)等について
    (1)違法広告の取締りについて
    ○あはき、柔整(じゅうせい)等の広告については、社会保障審議会医療保険部会「あん摩マッサージ指圧、はり・きゅう療養費検討専門委員会」、「柔道整復療養費検討専門委員会」において「施術所における違法広告は国民の誤解を招くことがあり、取り締りを強化するべき」等の指摘があったところであり、また、医業若しくは歯科医業又は病院若しくは診療所に関する広告について見直しがおこなわれたこと等を踏まえ、国民に対するあはき柔整(じゅうせい)等の情報提供内容のあり方について検討をおこなう予定である。
    ○各都道府県においては、広告可能事項に該当しない「交通事故」といった文言や料金について、広告することは認められないことから、違法広告のある施術所の開設者に対する指導等の徹底を図られたい。
    ○また、あん摩マッサージ指圧師によるあん摩、マッサージ又は指圧がおこなわれていない施設において「マッサージ」等と広告することについては、同施設においてあん摩マッサージ指圧がおこなわれていると一般人が誤認するおそれがあり、各都道府県におかれても、このような広告をおこなわないよう指導をお願いしたい。
    なお、実際に認められない効果・効能を表示した広告は、不当景品類及び不当表示防止法に抵触するおそれもあり、消費生活センターと定期的に情報交換する等、消費者行政機関との連携に努め、必要な措置を講じられるようにお願いしたい。
    ○施術所の広告に関する指導状況については、「あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師及び柔道整復師の広告に対する指導に関する調査について(依頼)」(平成29年5月19日厚生労働省医政局医事課事務連絡)において指導状況を報告していただいているところである。本調査は引き続き平成30年度においてもご依頼する予定であるため、ご協力いただきたい。

    (2)無資格者の取締りについて
    ○無資格者によるあん摩マッサージ指圧、はり、きゅう及び柔道整復以外の医業類似行為(いわゆる民間療法)に対する取扱い及び指導については、「医業類似行為に対する取扱いについて」(平成3年6月28日医事第58号厚生省健康政策局医事課長通知)及び「医業類似行為業に関する指導について」(平成28年2月9日医政医発0209第2号厚生労働省医政局医事課長通知)において、周知・指導をお願いしているところ。
    ○しかしながら、消費者庁が平成29年5月26日に報道発表した「法的な資格制度がない医業類似行為の手技による施術は慎重に」によると、法的な資格制度がない医業類似行為等による施術で発生した事故の情報が多数寄せられていると報告されており、このような事実は公衆衛生の観点から到底看過できないものであり、「医業類似行為に関する指導について」(平成29年7月11日医政医発0711第1号厚生労働省医政局医事課長通知)によりその指導をお願いしたところ。
    ○なお、これら違反行為への対策においては、消費生活センターが有する情報を活用することにより有効かつ迅速な対応が可能となると考えられ、また、悪質性が認められる場合などには警察と連携した取り締まりも必要となることから、消費者庁了解の下、「医業類似行為業に関する指導について」(平成28年2月9日医政医発0209第2号厚生労働省医政局医事課長通知)を発出しており、保健所を含む衛生主管部局、消費生活センター及び警察との間の連携した指導・取締体制の構築を図られたい。
    ○また、医業類似行為のうち、あん摩マッサージ指圧、はり、きゅう及び柔道整復については、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師等に関する法律(昭和22年法律第217号)第12条及び柔道整復師法(昭和45年法律第19号)第15条により、それぞれあん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師及び柔道整復師の免許を有する者でなければこれをおこなってはならないので、無免許で業としてこれらの行為をおこなったものは、それぞれあん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師等に関する法律第13条の7及び柔道整復師法第29条の1により処罰の対象になることを広く周知・啓発をお願いしたい。
    参考:「医業類似行為に対する取扱いについて」(平成3年6月28日付け医事第58号)

    (3)有資格者と無資格者の判別について
    ○消費者が施術所を選ぶ際に、当該施術所が法に基づく届出を行っているかどうかを見分けることは困難であると指摘されている。
    ○このため、平成28年6月29日付けで「あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律第七条第一項第五号の規定に基づくあん摩業等又はこれらの施術所に関して広告し得る事項」(平成11年厚生省告示第69号)及び「柔道整復師法第二十四条第一項第四号の規定に基づく柔道整復の業務又は施術所に関して広告し得る事項」(平成11年厚生省告示第70号)を改正し、それぞれ広告できる事項に
    ・あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律第9条の2第1項前段の規定による届出をした旨
    ・柔道整復師法第19条第1項前段の規定による届出をした旨を追加する改正をおこなった。
    ○都道府県の自主的な無資格者対策として、法律に基づく届出がされた施術所である証明書(施術所(開設)届出済証明書)を発行しているところがあるが、各都道府県においては、これらの好事例を参考に、施術所届出済証明書等の発行を積極的に進めていただくようお願いしたい。
    ○また、有資格者と無資格者を判別するため、平成28年より公益財団法人東洋療法試験研修財団において、国家資格を保有することを示す「厚生労働大臣免許保有証」を発行している。これに併せて平成28年3月にリーフレット等を送付しており、引き続き、国民に対し周知をお願いしたい。
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    5 平成29年度第2回JIMTEF(ジムテフ:国際医療技術財団)災害医療委員会 開催される

    3月16日(金)19時から、東京麹町弘済会館にて、平成29年度第2回JIMTEF(ジムテフ:国際医療技術財団)災害医療委員会が開催されました。
    JIMTEF(ジムテフ)は、「開発途上国へ医療技術支援を!」「日本列島へ災害医療人材育成を!」を活動目標としている民間の国際医療協力NGO災害医療支援団体で、皆様の記憶にも新しい、熊本地震の折りに我々あはき業界団体がいち早く一般社団法人熊本県鍼灸マッサージ師会を中心とした支援体制を構築することが出来たきっかけを作ってくれた公益財団です。
    我々に関係のある活動は、独立行政法人 国立病院機構 災害医療センター(DMAT ディーマット:厚生労働省が主導して立ち上げられた災害派遣医療チーム Disaster Medical Assistance Teamの事務局が置かれている機構)の協力による、災害時に医療関係職能団体が速やかに協力体制を結び、災害支援をおこなうことを目的とした、JIMTEF(ジムテフ)災害医療研修会となります。
    この研修会は、DMAT(ディーマット)隊員を中心として、医療関係職能団体21団体(本会も構成団体に名を連ねております。詳しくはhttps://www.jimtef.or.jp/work/conference.htmlをご確認下さい)から派遣されたタスクフォースにより、災害の意味、災害の実際、災害時の行動基準(お作法)、避難所運営・災害対策本部運営などを通して、有事に自分たちの職能団体が何が出来るのか、何をすべきか、有機的な多職種連携を可能にする手順、人間関係を構築する研修会となっています。
    JIMTEF(ジムテフ)災害医療委員会は、上記研修カリキュラム、日程などを決める重要な委員会となっています。
    今回開催された委員会では、今年度開催研修会の内容の検討、次年度のカリキュラムの策定、日程の確認および構成職能団体による活動報告がおこなわれました。アドバンスコース修了者が本会会員の先生方にも毎年増えており、「災害時の連携は平時の連携と同じ」を実感出来る委員会でした。

    ●平成30年度 研修日程(予定)
    日程 コースの順番で表記
    6月16日・17日 ベーシックコース(関西)
    9月22日・23日 ベーシックコース(東京)
    11月17日・18日 アドバンスコース(東京)
    12月15日・16日 アドバンスコース(関西)
    2月16日 第1回スキルアップコース

    6 認知症ミニ講座(29) 治るタイプの認知症

    認知症の治療は、薬物療法と、リハビリテーションなどの非薬物療法が主体です。いくつかの稀な場合を除き、認知症を完全に治す治療法はまだありません。しかし、病状の進行を遅らせることはできるのです。そのため治療は、残された機能を維持しながら、不安、妄想、不眠など、日常生活の支障となる症状を軽減・改善することが目的となります。
    認知症の中核症状に対しては、抗認知症薬による治療をおこないます。
    行動・心理症状(BPSD)を改善するための薬物治療は、抗精神病薬、抗うつ薬、抗てんかん薬、睡眠薬などの向精神薬のほか、漢方製剤が使われることもあります。
    非薬物療法はさまざまあり、以下のようなものが挙げられます。
    ・運動や作業を通して「本人らしい生活」が送れるよう支援する理学療法
    ・作業療法などのリハビリテーション
    ・簡単な計算や音読、字を書き写すなどをおこなう認知リハビリテーション
    ・見当識への刺激を与えることで、認知機能の低下を防ぐリアリティ・オリエンテーション
    ・過去の思い出を語ることで、記憶を刺激して感情の安定を図る回想法
    ・脳に刺激を与えること、自発性の改善を図る音楽療法、芸術療法、園芸療法など
    ・動物とのふれあいを通じて感情の安定をめざすアニマルセラピー治療と並ぶほど重要な役割を果たしているのが、毎日の生活における周囲の方の対応です。 適切なケアによって、周辺症状などが回避できる場合もあります。
    また、治るタイプの疾患としては、脳脊髄液が脳室に過剰にたまり、脳を圧迫する「正常圧水頭症」、頭をぶつけたりしたときに頭蓋骨と脳の間に血の固まりができ、後に脳を圧迫する「慢性硬膜下血腫」、その他、脳腫瘍、甲状腺機能低下症、栄養障害、薬物やアルコールに関連するものなどがあります。

    7 Dr.タコの外来小咄(96)

    アンチエイジングという言葉は良く聞きますが、最近この言葉を使わないと宣言した雑誌が話題に。確かに年をとるのは悪いこと、若い=良い・美、の印象を助長しがち。CMでもお肌が、お腹が、ばかり。ちなみにタコは厄年を境に年を数えるのを辞めたのですが、何の問題もありません!

    ◎心配も「適当に」
    「カゼをひいてセキが止まらないんですよ」
    そういってこられたCさん
    「そういえば、おととしの今頃も来てましたね。あのときはレントゲンで古い肋膜の影があるようだといったら、心配だからとおっしゃって、大学病院に紹介して検査しに行ったんですよね」
    「・・ええ、そうでしたね」
    「その後は検査していますか」
    「いえ、全然」
    「そうですか、でも年一回くらいは検査しましょうね、一回大丈夫だったら一生オーケーとはいきませんからね」
    いっときあれこれ心配して、治まるとケロッとほっといてしまう、そういうかた多いですね。
    心配も「適当に」してほしいものです

    ◎病院には近づかない?
    私の知っている先輩の言
    「じっさい、死ぬ人の8割は病院でなくなってるんだ、だから長生きするには病院に近づかないのがいちばんってわけさ」
    「・・・(すごい理屈!)」
    病院に縁がないのは良いに決まってますが、無理に遠ざけて、健診も何もしないでいると・・
    ムリヤリ病院に行くハメになるのもどうかと思いますけどネ

    ◎人ごとのような言い方
    「わたしは甘いのが好きなヒトだからなあ」
    「わたすは水のんでも太るヒトだから」
    「もったいなくてマゴが残したもの食べでるがらふとるんだべな」
    「一人暮らしだから好きなものばっかり腹一杯食べるんだベナ」
    なんだかカラダと本人が別人のような言い方ですね

    ◎インフルエンザの‘フル’コース
    インフルエンザワクチンは重症化予防の効果があるのはもちろんですが、100%かからないわけではありません
    接種してもかかってしまう人はいます
    2回予防注射したのにインフルエンザにかかる子どもさんは毎年います
    なかにはA型にかかったのにそのあとB型にもかかった子どもさんも・・・
    そのたびに痛い検査をして抗ウイルス薬を内服して
    まさにインフルエンザを‘フル’コースで体験したわけで、お気の毒としか言いようがありません
    +++++
    Dr.タコ 昭和40年生まれ、慶應義塾大学医学部卒。田んぼに囲まれた
    ふるさとで診療する熱き内科医。

    8 FOCUS アセスメント

    アセスメント(assessment)は、「課税」「査定」「評価価値」「分担金」などを意味する英語からきています。日本では、「評価」「査定」の意味で用いられることが多く、「対象が周囲に及ぼす影響の評価をすること」「開発が環境に与える影響の程度や範囲、また対策について、事前に予測・評価すること」などを指します。「製品アセスメント」「リスクアセスメント」「テクノロジーアセスメント」「アセスメントテスト」など熟語として表れることが多く、アセスメントが単独で出てきたときは、「環境アセスメント」を意味することが多いようです。日本では、語源である英語の意味にある「課税」「課税額」「割当金」といった意味ではあまり用いられていません。
    ソーシャルワークや看護過程(情報収集、アセスメント、問題点の抽出、看護計画)では、対象者に関する情報収集をいいます。「主観的情報」と「客観的情報」を相互に裏付けながら、対象者を取り巻く問題点を理論的に分析することです。アセスメントは、介護・看護ケアの方向性を明確化することにつながります。
    ちなみに「カンファレンス」は、主に会議、協議会、相談、会談などの意味。

    9 医者いらず 健康長寿処方箋(51)

    健康科学研究所所長・大阪市立大学医学部名誉教授 井上 正康(いのうえまさやす)
    井上 正康(いのうえまさやす)先生は、癌や生活習慣病を「活性酸素」やエネルギー代謝の観点と、地球や生命の歴史という大きな視野で研究されている国際的研究者です。現在、多くの府県師会主催の公開講座で講演され大好評を博しています。ぜひ貴師会でも!!
    ご連絡は下記URLより。
    健康科学研究所HP http://www.inouemasayasu.com/seminar/

    「癌に罹った医者の治療法選択」

    生まれては死ぬるなりけりおしなべて
    釈迦も達磨も猫も杓子も (一休 いっきゅう 禅師)

    死の多くは他人事であるが、自分が癌に罹ると圧倒的な現実として迫ってくる。日本では癌が死因の1位となり、高齢者の2人に1人が癌に罹り、3人に1人が癌で死ぬ時代となった。2014年には75万人が癌と診断され、2016年には37万人以上が癌で死亡した。癌は世界的に増えているが、その多くは発展途上国である。欧米先進国では癌が毎年5%程減少しており、先進国で増えているのは日本のみである。世界最長寿国日本と2位以下の先進国の平均寿命の差は僅かなので、日本のみで癌死亡率が増加している理由は他にあると思われる。
    「癌は早期発見早期治療が重要」と考えられているが、肺癌、食道癌、膵臓癌などは初期でも転移や術後の再発が多い。悪性の癌は手術で除去しても既に転移していることが多く、早期発見や早期治療に大きな限界がある。癌の進行速度も種類により異なり、定期的に癌検診を受けても進行が速いものでは発見された時にはかなり進行していることもある。一方、前立腺癌や子宮頚癌では転移や再発が少ないので、検診で早期発見できても生存率はあまり変わらない。事実、高感度のPSA検査で早期発見された前立腺癌は過去30年間で10倍以上増加したが、死亡率はむしろ増加傾向を示している。欧米では治療成績を向上させないPSA検査は逆効果であるとして廃止されたが、日本では未だに前立腺癌の早期発見法として汎用されている。
    日本では“癌の治療は先ず手術で”と手術を優先させることが多い。しかし、医師が癌に罹った場合に選択される治療法はかなり様子が異なる。癌診療に従事している医師553名に“自分が癌に罹ったらどの様な治療を選択するか?”をアンケート調査した結果、大半の医師は「手術を避けて心身の苦痛を和らげる緩和ケアを選択する」をトップに挙げた。手術を選んだ医師は僅か8%に過ぎず、その主な理由は「ダメもとでもチャレンジしたい」であった。化学療法を選んだのは16%で、その理由は「効果と副作用を試した後に緩和ケアを受ける」で
    あった。放射線療法と化学療法の併用を選んだのは15%で、「治る可能性は低いが最善を尽くしたい」との理由が多かった。医師が罹りたくない癌の
    トップは膵臓癌であり、次いで肺癌、食道癌、咽頭癌、喉頭癌、脳腫瘍などが続いた。これらは何れも症状が辛くて予後が悪く、治療も難しくてQOLが低下する癌である。特に膵臓癌は有効な治療法がなくて予後も悪く、肺癌では呼吸困難、食道癌や咽頭喉頭癌では食事や発声が困難でQOLが低下することが恐れられている。全ての癌で3~4期の場合に選択された治療法は緩和ケアであり、 5年生存率が低い4期では積極的治療よりも痛みなどの症状緩和でQOLを維持したいと考えている。肺癌の4期では治療するメリットはないと考えており、抗癌剤などで余命が少しばかり延びてもQOLは悪くなる。体が弱っている患者では抗癌剤などを使わずに緩和ケアのみの方が遥かに予後が良いのである。
    私は大阪万博の年に大学院で癌の研究を始めたが、その頃に乳癌で奥様を亡くされた恩師が“過去50年間の癌治療研究は敗北の歴史だった”と呟くように言われた。それから半世紀の間に遺伝子治療や免疫療法などさまざまな治療法が現れて多くの医師や患者を期待させてきたが、その大半は泡沫のごとく消えていった。最近、リンパ球の免疫的チェックポイントを制御する抗体医薬が開発され、“今度こそ本当に効きそうな免疫治療法が開発された!”と大きく期待されている。この異常な期待感は“従来の免疫療法の大半が無効であったこと”を意味している。この抗体医薬は皮膚癌で有効だったことから肺癌などへの拡大適用が期待されているが、肺癌での有効性は10名中1~2名と低い。ヒトは自分に不都合なモノを異物や非自己と見なしたい無意識的な欲を持っている。2万5千種の遺伝子の極一部が変異した癌細胞は正常細胞と同様に圧倒的な自己であり、これを非自己と認識して選択的に排除することは難しい。“免疫力は強い程良い”との考えがあるが、これも誤りである。免疫力が強すぎると自己免疫疾患やアレルギー疾患に罹る。陸海空の軍事バランスと同様に免疫力にもバランスが大切なのである。この抗体は免疫系のアクセルを踏んでブレーキを外す治療薬なので癌細胞のみならず正常細胞をも攻撃する可能性が高く、その有効性と副作用のバランスを慎重に見守る必要がある。肺癌患者に対する本抗体医薬の延命効果は意外に低い様であり、欧米では費用対効果の観点から保険適応は大きく制限されている。本剤の日本での価格は米国の2倍、英国の5倍と異常に高く、これを多くの高齢者が利用すると国民の保険医療制度を崩壊させかねないと懸念されている。自然な加齢現象である癌を平常心で受け止める死生観と医療経済学的英知が問われるところである。

    10 平成30年度 定時総会開催のお知らせ

    定時総会を下記の通り開催いたしますので、代議員各位のご出席をお願い申し上げます。
    代議員の皆様には別途ご案内文書をお送りしますので、出欠等については必ず期日内にご回答下さいますようお願いいたします。(事務局)
    ●日時 平成30年5月27日(日) 12時~受付開始
    13時~17時
    ●場所 ホテルルポール麹町 3階マーブル
    電話:03-3265-5361(代)
    東京都千代田区平河町2-4-3
    (※地下鉄「麹町駅」「永田町」下車)
    【参考】5月28日(月)は連盟総会、協同組合総代会を3階エメラルドにおいて開催予定です。

    ★保険局からおしらせ
    5月28日(月)、3階エメラルドにて12時~14時まで「あはき療養費受領委任制度説明会」を開催します。師会長をはじめ代議員、保険担当者の皆様のご参加をお願いいたします。ご周知下さい。
    (保険局)

    11 平成30年度行事(予定)

    日程、内容、場所の順番で記載しています。
    10月14日・15日、第17回 東洋療法推進大会in鹿児島、鹿児島県(鹿児島)
    11月11日、都道府県師会会長会、東京都(四谷)
    他に各種研修会等の予定があります。

    12 インフォメーション 研修会・イベント

    開催予定

    各地での研修会・イベント情報をお知らせいたします。多くの方のご参加をお待ちしています。
    詳細・申込については各師会事務所へお問い合わせ下さい。(変更等がある場合もございますので事前にご確認下さい)
    なお、全鍼師会HP:トップページ内「事務局より」もご参照下さい。

    月日、師会(しかい)名、時間、場所、内容、一般参加、参加費、生涯研修単位 の順番で記載します。
    4月1日、石川、10時30分~12時30分、石川県立盲学校、「現代鍼灸臨床論・頭痛」通読、可、無料、2単位
    4月8日、兵庫、13時30分~16時30分、明石市生涯学習センター、鍼灸による不妊治療の基礎理論と実技、可、無料、4単位
    4月8日、福井、13時30分~16時45分、アオッサ、鍼灸マッサージにおける医療過誤、スポーツ選手とのかかわり方、可、無料、4単位
    4月22日、富山、10時~11時45分、福野文化創造センターヘリオス、鍼灸師に役立つ精神科Q&A、可、1,000円、2単位
    5月6日、石川、10時30分~12時30分、石川県立盲学校、「現代鍼灸臨床論・頸腕痛」通読、可、無料、2単位
    ※研修単位は会員のみ

    13 協同組合ニュース

    視覚障害をお持ちの方でもお申込みいただける生命保険が「新保障制度」。
    団体割引が効いて大変お得な保険ですが、今年10月の更新からさらに保険料が下がります! 特に50代、60代の男性の場合、毎月の保険料が970円~2,000円程度の値下げが予定されています。ご加入は、保険年齢70歳まで。保障は75歳6ヶ月まで続きます。簡単な健康状況告知で申込めますので、この機会に是非ご検討下さい。
    性別、生年月日をご連絡いただければ毎月の保険料を計算してご案内します。
    さらに詳しい資料もお送りしますので、協同組合・保険担当までご連絡下さい。
    お待ちしています。
    日本鍼灸マッサージ協同組合 保険担当
    TEL:03-3358-6363 FAX:03-3359-2023
    Mail:jamm@jamm.or.jp

    14 編集後記

    グーグルは3月15日、「Google マップ」の経路案内に車いすで利用しやすいルートの検索機能を追加した。日本では東京のみで実装されており、対応都市は順次拡大するとのこと。
    「ルート・乗換」で、目的地の入力後、公共交通機関を示す「電車アイコン」を選択すると表れる「ルートのオプション」の中にある「車椅子対応」を選ぶと、車いすの利用者に適するルートが示されます。車いす利用者だけではなく、ベビーカー利用者や足腰が弱った人、ケガをした人、スーツケースなどの大きな荷物を持った人なども含めて、多くの人に役立ちそうです。こういった取り組みが、日本ではまだまだ遅れています。点字ブロックやバリアフリーは増えましたが、インフラ整備は、設備の面、人の心の面ともに必要です。
    (広報局長:廣野 敏明 ひろのとしあき)
    以上本文
    以下広告
    ◇全鍼師会 110番補償制度 好評発売中!
    この制度は会員の先生方が、安心して日常の業務に専念いただけるよう、不慮の施術事故をはじめ院内施設の不備や日常生活中の事故により損害賠償責任を負った時に、その損害をお支払いするものです。
    ※会員以外の方は加入できません。(更新日6月1日)

    ・掛金と補償額についてはお問合せ下さい。

    お問合せ:日本鍼灸マッサージ協同組合
    TEL:(03)3358-6363
    ■元受保険会社 三井住友海上火災保険株式会社

    ◇パルス治療器 KANAKEN
    Lasper-A(ラスパーエース)
    KE-115 45,000円+税
    〔クラスⅡ/特管〕
    認証番号 219ALBZX00005000
    ○ラスパーウェーブ(患者様に心地よい刺激の波形です)
    ○チャンネル間の干渉がない(波形の乱れが生じません)
    ○治療時間を液晶表示(1分刻みで残り時間を表示)
    ○電子音で操作を確認(ON/OFF設定時・タイマー・エラー)
    ○携帯に便利な軽量設計(570g但し電池入れず本体のみ)

    株式会社カナケン
    本社: 〒225-0002
    神奈川県横浜市青葉区美しが丘2-17-39
    TEL_045-901-5471(代)
    FAX_045-902-9262
    オンラインショップ http://e-kenkou.jp/
    E-mail info@kanaken.co.jp
    大阪営業所:TEL_06-6935-3016(代)
    FAX_06-6935-3017
    新潟営業所:TEL_025-286-0521(代)
    FAX_025-286-8870
    福島営業所:TEL_024-961-7211(代)
    FAX_024-961-7221
    仙台出張所:TEL_022-287-6273(代)
    FAX_022-287-6218

    以上広告




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    名称 鍼灸マッサージ情報誌 月刊東洋療法
    代表者 伊藤 久夫(いとうひさお)
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    発行人 伊藤 久夫(いとうひさお)
    編集人/広報局長 廣野 敏明(ひろのとしあき)
    購読料 3,600円 〒共(会員は会費より)

    口座名のフリガナは「シヤ)ゼンニホンシンキユウマツサージシカイ」となります

    以上